鼻ツン闘病記48:発作後の運転再開について

ライトニングハワイ、ハワイ暮らしと大人のてんかん闘病記

発作再発リスクの正確なデータは?

薬を忘れず、睡眠を十分に、規則的な生活をした上での運転再開

やはり、てんかんの一番不便な点は車の運転を制限されることですよね。私の住むハワイでは、車の運転の再開は、投薬を続けながらMRIなどの検査を定期的に行い、主治医が「もう大丈夫」と判断したら行うことができます。

初発作後にてんかんを再発するリスクの割合ってどれぐらいなんでしょう? また、数ヵ月間の運転制限期間が過ぎた後の再発のリスクはどれくらいになるんでしょう? なんてことを考えていたら、友人が興味深い記事を送ってくれましたので、ご紹介したいと思います。T君、いつもありがとう!

医療従事者用のポータルサイト、ケアネットに紹介された「てんかん患者 発作後の運転再開時期は」という記事。元々はオーストラリア、ロイヤル・パース病院のJW Brown医師(以下ブラウン医師)らにより、学会誌「Journal of neurology, neurosurgery, and psychiatry(オンライン版)」に投稿されたものです。

この記事によると、まず「初発発作後にてんかんを再発するリスクは40~50%であり、このリスクが最も高い初発発作後早期の段階で運転を制限することは正当な指導である」と、あります。つまり、「発作後は再発が多いからしばらく運転しちゃいけないよ!」ということですね。

ところで、この「リスクが最も高い初発作後早期」ってどれぐらい続くのでしょう? それを計測するには、きちんとしたデータが必要ですよね。

なので、ブラウン医師たちのグループは、初発作を起こした1,386例のてんかん患者をそれぞれ調査&解析し、「発作の再発リスクの範囲」と「事故リスク比(ARR)」と照らし合わせて、運転すべきでない期間をはっきりと数字であらわしています。ARRとは、疫学での事故のリスクを算出する指標の一つだそうです。

ふむふむ、ちょっと難しいけど、平たく言うと実際に発作を起こした患者さんたちを調査して、運転を再開した場合どれだけ事故を起こす危険性があるのかを調べ、これだけ経ったら「運転してよし!」という期間を導き出したということですね。数字できちんと証明されているので、安心できますよね。

さて、その調査の結果は?

(結果その1)非誘発性発作(発熱、脳震盪、薬物の影響などの原因がない発作)を初めて起こした患者の運転制限期間8ヵ月の間、および原因が明らかな誘発性発作を初めて起こした患者の運転制限期間5ヵ月の間、運転中の発作リスクは、1,000人あたり1.04人、ARRは2.6であり、発作の再発リスクは、1ヵ月ごとに2.5%ずつ減少した。

つまり、ブラウン医師たちは原因が明らかでないてんかん発作(私もこれ)の場合は8ヵ月、原因が明らかな発作は5ヵ月の運転制限期間を設けているとういこと。その期間内、運転中に発作を起こす可能性は上の数字だということですね。さらに1ヵ月経つごとにどんどんリスクは少なくなっていくという結果が出ています。

(結果その2)発作が再発した患者のうち、月次リスクが1/1,000以下に減少した6ヵ月後に、14例(2%)が運転中に発作を再発。

ただし、発作が再発した患者の場合、たった14例ではあるけれど、リスクが千分の1以下になるという運転制限期間を過ぎた時に、発作を再発しているということですね。

なるほど、こういう風に数字で具体的に見せてくれるとすごく勉強になりますよね。運転再開については主治医の先生とよく話し合っていくとともに、てんかんを再発させない3原則(薬をきちんと飲む、睡眠を十分とる、規則正しい生活をする)をきっちりと守ることを大原則に、取り組んでいかないといけませんね。

鼻ツン闘病記49へ続く)