観る

脚本の力強さに圧倒される作品:Gifted

登場人物全員がじっくりと名演!

またまた、印象深い映画に出会ってしまいました。今年春の公開時には見逃したのですが、レッドボックスで見つけた”Gifted”。日本では11月に公開ということですので、ネタバレなしで参ります。

Giftedとは、「天才」または「特別な能力を授けられた人」という意味です。この映画の主人公、7歳のメアリーは、数学のGiftedなのです。母親のダイアンを亡くし、叔父フランクに育てられています。

数学の才能には恵まれているものの、対人スキルが低いメアリー。ダイアンはメアリーを「人間らしく、子どもらしく」育てたかったのです。亡き姉の意志を汲み、できるだけメアリーを「普通に」育てようとするフランク。

しかし、天才児が一般の子どもたちが通う学校で浮かないわけはないのです。さらに、フランクの母は、孫のメアリーに高等教育機関で特別な教育を受けさせようと画策し、ついには法的な親権争いにまで発展してしまいます…

ネタバレなしということなので、ストーリーはここまでにしておきますが、この映画のすごいところは、脚本の圧倒的な筆力かと思います。

映画ギフテッドの圧倒的な脚本力

派手な演出は見事なまでに、一切ないんですよ。でも、強烈な求心力で、一度見だすと目が離せませんでした。この脚本の素晴らしいところは、一切の過不足も無駄もないことです。見事なまでに削ぎ落とされていますが、物足りなさはまったく感じません。

法廷シーンや脇役の人々のセリフに重要なこと、家族のバックグランドがさりげなく散りばめられているため、見ているうちにちょっとずつジグソーパズルが完成していくような、スリルあふれる満足感があります。

主演はクリス・エヴァンス。キャプテン・アメリカで一躍有名になりましたが、彼が演じる等身大の男性像は、とても好感が高く、抑えた演技に説得力がありました。メアリーも、フランクの母親も、隣人の女性も小学校の先生も弁護士も…猫までがみな名演技。

ここまで水も漏らさぬような盤石な映画も珍しいかと思いました。願わくば、日本公開時に、字幕の翻訳がちゃんとしていますように。普通に訳すとつまらなくなってしまうような言い回しもたくさんありましたし、補足が必要な部分もあるかと思います。その辺をうまく汲んだ訳だったらいいな〜、と。何と言っても、この作品は脚本が肝なので。

映画を見終わった後も、ずっと考えさせられる映画です。私のような凡人には計り知れない天才児の心の中…、果たして凡人が思う幸せが、彼らにとって本当に幸せなのだろうか? 生きることがしんどいのだろうか? 育て方によって、天才児の部分を少しずつ失っていってしまうのだろうか? それが本当にいいことなのだろうか? …などなど、疑問は尽きません。

ぜひ、チャンスがあれば、皆様もこの映画を観てみてくださいね。

遅ればせながら美女と野獣の実写版を…

アニメ版、ミュージカル版と比べると?

遅ればせながら、やっと美女と野獣の実写版を観ました。

アニメーション版とミュージカル版はどちらも何度か観たことがあるのですが、実写版はどのような感じなのかな〜と、アニメーション版が大好きな私としては、見たくもあり、見たくもなし…といった感じで逡巡しているうちに、映画館での公開を逃してしまっていたんです。

アニメーション版は、とにかくキャラクターが魅力的に描かれていて、アニメーションならではの非現実的な動きとか、顔の表情がなんとも言えない味を出しています。また、野獣の描写も独特で、ちょっとダークな感じながら、見ているうちにとても感情移入してしまうんですよね。

ミュージカル版は、ハワイ公演を見に行ったのですが、物語のテンポが良く、出演者さんたちの歌唱力、演技力もすごく、飽きさせない作りでした。ただ舞台上で全てを演じるため、お城の描写やアクションなどは、やや物足りない感あり。

さて、実写版ですが…

まずびっくりしたのが、ベルを演じるエマ・ワトソンがすごくハマリ役だということ。途中から健気で知的なベルにしか見えなくなりました。それにくらべ、野獣の描写はややパンチに欠けるかな? あと、アニメーション版ではびっくりするほど愛らしかったキャラクター、ティーカップの「チップ」が、実写版では普通の少年といった感じで、ちょっと残念。

実写版で素晴らしいのは、なんといってもシネマトグラフィーですね。アートディレクションがすごく良くて、お城の風景、特に晩餐会の場面などは、ため息が出そうに華やか。さすがディズニーといった感じで、見ごたえたっぷりでした。

アニメーション版と実写版ではややストーリーが異なっている部分があるのですが、それについてはアニメーション版の方が好きかも。慣れているだけかもしれませんが。

キャラクターでは、アニメーション>実写>ミュージカル
テンポでは、ミュージカル>アニメーション>実写
アートディレクションでは、実写>アニメーション>ミュージカル

という具合で、どのバージョンもそれぞれに魅力的なのでした。

あと、ガストンの嫌〜な感じは、ミュージカル版がダントツだったように思います。

もし息子がいたら…

ハワイ出身のJacob Batalon(ジェイコブ・バタロン)君に勝手に親近感

2週間ほど前に、スパイダーマン ホームカミングを観てきました。いかにもジュブナイル向けの内容ながら、飽きずに楽しめたのは、何と言ってもキャストの力が大きいと思われます。

日本ではまだ公開されていないので、映画についてのネタバレは避けますが…

フレッシュなキャストの中でも、皆さんに注目してほしいのが、主人公の親友ネッドを演じるジェイコブ・バタロン君。ハワイ出身のフィリピン系の少年です。ぽっちゃり体型で、ちょっぴりオタク風味もありながら、ものすごく頭が良く、優しい性格。ギャグもなかなかいい感じで散りばめてくれます。

さて、このジェイコブ君を見ていると、なんだか懐かしい気がするのです。彼がハワイ出身だから? もちろんそうですが…。

夫にも指摘され、自分でも認めざるを得ないのですが、このジェイコブ君、私にかなり似ています(きっぱり)! 静止画で見るとさほど似ていないのですが、動画で見ると顔の表情や笑い方がそっくり!

私はたいていの場合、フィリピン系と間違われます。日本人とみられたことはあまりありません。

さらに、今まで似ていると言われた有名人は、谷沢健一や近藤真彦と、男性ばかりです。ちなみにジェイコブ君は谷沢健一に表情がそっくりです。特徴としては、やや浅黒肌で幅の広い二重まぶたということが言えるでしょう。

おでこの形も鼻の付け根も、眉間にシワがあるところも全部私に似ています。

というわけで、途中からなんだか自分の息子が映画に出ているような、自分が出ているような、なんとも面映い気分を感じてしまったのでした。私たち夫婦には子どもがいませんが、もしいたらきっとこんな感じ? いや、夫はかなり薄顔なので、私の遺伝子が濃く出た場合のみですけどね。

ジェイコブ君のお母さんを見てみたいものです。もしかして、私がしょっちゅう間違われる、フィリピン系の幼稚園の先生、マリアさんだったりして。

と、映画とは全然関係のないことをつらつら書いてしまいましたが、映画自体はかなり面白いので、ぜひ見ていただきたいです。アジア系の役者さんもたくさん出ますよ。

アニメーション「無念」の凄さ(というか凄味)

大和田新氏の講演会「福島を伝える」に参加して

先日、パロロ本願寺で行われた、大和田新氏の講演会に行ってきました。知り合いの方に招待していただき、取材がてら興味深く訪ねてみたのです。

大和田氏のバックグラウンドおよび講演会についての詳細は、Myハワイに詳しく書いたので、下記の記事をみていただくといたしまして…

■「福島を伝える」大和田新氏の講演会、大盛況で終了

福島の現在を伝えるアニメーションと聞いて、私の中では「火垂るの墓」のようなものを想像していたのです。きっと泣かせるものに違いないと、バッグにはティッシュを忍ばせて行きました。

会場はお寺の本堂で、正面にはホワイトボードに布をかけた、やや素朴ともいえるスクリーンが設置してありました。

ハワイのお寺の本堂は教会のように長椅子が設置してあるところが多いです。その一つに腰をかけ、正面のスクリーンを覗き込みます。

アニメが始まりました。

…そこにあったのは、大きな筆で描いたような、シンプルな筆致の絵でした。登場人物の顔などは、ずいぶんと質朴で、絵本または紙芝居のような感じです。動きも、ちょうどバラバラ漫画をめくるようで、決して派手なものではありません。

しかし。

アニメから音声が流れた途端、一気に入り込んでしまいました。

登場人物の声は、とても淡々としています。福島の方言が決して誇張されすぎておらず、実際に街中や役場ではこんな風なんだろうなと、その場にいるような気分にさせてくれる声、話し方です。

このアニメーションの吹き替えは、一人のプロを覗き、全ては実際の町民の人々によるものなのだそうです。だから、彼らの気持ちが痛いほどストレートに伝わってくるのですね。

登場人物同様に、物語の進行もとても淡々としています。伏線を張ったり、暗喩をちりばめたりといった虚飾はいっさいなく、とても真っ直ぐです。感情の表し方が控えめなだけに、真実味があり、また人々のやるせなさ、悔しさが滲んでいるかのようでした。

約50分ほどのアニメーションだったのですが、本当にあっという間に感じられ、5時間でも見ていたいほどでした。

そして、このアニメーションをできるだけたくさんの人に観てもらいたいと切に思いました。素朴の凄さ、人々の心のパワーにやられました。伝えたい事が痛いほどに溢れている、凄味のある作品だと思いました。

なので、質疑応答の時、大和田氏に訪ねてみました。
「このアニメーションをたくさんの人々に観てもらいたいのですが、何か方法はありますか?」と。

その後、会場でのやりとりがあり、なんと会場のパロロ本願寺さんでDVDを預かり、貸し出してくださる事になりました。ダメ元で尋ねてみたことに、大和田さんとパロロ本願寺の藤森先生が素早く回答してくださり、嬉しいやら感動するやら。

本当に素晴らしい会でした。出会いに感謝です。

カンフーパンダ3(ネタバレなし)

やっぱりジャック・ブラックは天才

でも一番好きなキャラクターは…

大好きなシリーズ、カンフーパンダ3が封切られたので、観てきました。日本ではまだ公開日が決定していないようなので、ネタバレはなしで。

カンフーパンダにはシリーズ1作目からすっかり心を鷲掴みにされ、スピンオフ作品にいたるまで、全部観ています。アメリカのアニメのなかでは、シュレックと同じくらい好きな作品なんです。

魅力は多々ありますが、主人公のPOがまったく可愛くないパンダなのに、見ているうちにどんどん魅力的に見えてくること。それぞれのキャラクターの描写が際立っていること。出てくる小動物たちの愛らしさ。そして毎回なんらかのカタルシスが得られることでしょうかね。

詳細は避けますが、第3作も期待を裏切らない面白さでしたよ。

ところでPOの声を演じるのはジャック・ブラックです。最近はあまり映画などでも見かけることが少なかったのですが、久々のボイスオーバー作品、いやあやっぱり天才です。ジャック・ブラックの変幻自在に動く眉毛が目に浮かぶような熱演ぶりでしたよ。

ジャック・ブラックもさることながら、さらに毎回「いい仕事だな〜」と思うのが、86才のジェームス・ホン氏。POの育ての父の声を担当しているのですが、もう軽妙で中国アクセントも素晴らしく、これ以上はないというほどのはまり役なのです。毎回ほろりとさせられるし、ジェームス・ホン演じるグース(ガチョウ)のピンさんのキャラクターが、やっぱり一番好きですね。

ジェームス・ホンの名演だけでも見に行く価値があるかと思います♪