ザ・ボックストロールズ:映画レビュー

The Boxtrolls

邦題:未定
日本公開時期:? 多分まだのはず
Theater: DVDで鑑賞
★★★★(★5個が最高)

ものすごく緻密なストップモーション・アニメーション!

見始めた途端、正直「あ、キャラクターたちが可愛くないっ!」て思ったんです。すごく癖があるというか、アクが強いというか…。なのに、気づいたら猛烈に引き込まれていた映画が “The Boxtrolls(ザ・ボックストロールズ)” です。

ストップモーション・アニメで有名なライカスタジオの新作で、チーズブリッジの街の地下に住むトロールたちと街の人々のお話です。一見おとぎ話風で、その根底にはかなりの風刺が込められています。

ボックストロールとは、ガラクタ集めを趣味にしたトロールたちで、皆段ボール箱のようなものを身につけています。基本的にとても心優しく平和な種族なのですが、住民たちからはその外観ゆえに恐れられ忌み嫌われているのです。

この街を統治するリンド卿(貴族の証の白い帽子が目印)は、スナッチャーという怪しげな男(平民の証の赤い帽子が目印)に、成功した暁には白い帽子を授けることと引き換えに、ボックストロールの駆除を依頼。依頼ボックストロールたちは追われる立場になってしまいます。

白い帽子がものすごく欲しいスナッチャーは、ありとあらゆる手を使ってボックストロールたちを追い詰めていきます。

逃げ惑うボックストロールの中に、なぜだか皆とちょっと違った外見の少年が…。彼の名はエッグス。身にまとっているのが卵の箱だから、エッグスと呼ばれています。父親代わり(母親かも)のフィッシュと仲良く過ごすエッグス、実は人間の子供だったのです。

そのエッグスの姿をたまたま見てしまうのが、リンド卿の娘のウィニー。スナッチャーに捕まった仲間を救うため、ついに人間として外に飛び出したエッグスはウィニーと一緒に冒険しながら、トロール奪回に立ち上がる…と、こんな話です。

この映画、一つ一つ人形を作って、顔の表情までを全てコマごとに人力で動かしながら撮影するという、驚くほど緻密な作業の積み重ねで作られたものなんだそうです。

スカートがふわりと揺れたり、ダンスでくるくる回ったりするところも、すべて模型を作って再現してあるそうで、気が遠くなるような作業の上に作られた映画なんですね。

顔の表情は3Dプリンターで作られたマスクを多用して、一つ一つ全キャラクター分の撮影が行われているそうです。いったいどれだけの時間とマンパワーが…なんて、びっくりしちゃいました。

キャラクターは可愛くないけど、アーティスティックで風刺がきいた大人の童話という感じ。ストップモーション・アニメーションの見事な手法を見るだけでも価値ありですよ!