「趣味はドライブ!」が通じない

車に乗ることは当たり前のことだから


毎日車に乗っています。

家の周りにはバス停もなく、鉄道工事も遅々として進まない今、通勤の選択肢は車しかないのです。

私の両親は車に乗らない人々でした。父はいつでも自転車、母は自転車にすら乗らず、どこへ行くにも歩きとバス、電車でした。大阪住まいだったので可能だったのだと思います。

なので、若い頃はいわゆる「ドライブ」というものに、猛烈なる憧れを抱いていました。学生時代に免許を取り、貯金をはたいて小さなホンダの車を買い、休みの日になると、あちこちへ愛車ででかけたものです。

まだGPSなどがない時代でしたので、車にはマップルなどの分厚い街路地図を数冊積み込み、それを眺めながら「次はどこに行こうかな?」などと考えるのが最高に楽しかったのです。ドライブ用の音楽にも凝ったものでした。今思うと赤面ものですが、車に変なステッカーを貼って悦に入ったりもしてました。

週末になると、大阪南部から、しょっちゅう神戸や阪神間のあたりまで車ででかけ、新しいお店を開拓したり、お茶したりしつつ、非日常気分に耽ったものです。当時は人に趣味を聞かれると、力強く「ドライブです!」と答えていました。

なので、ハワイに来たときも、趣味を聞かれ、例のごとく「ドライブです!」と答えたのです。でも、私がそう答えると、皆「???」といった顔になるのです。

ここではドライブは生活の一部であり、そこに楽しみを見出すという感覚があまり受け入れられなかったのですね。

趣味を聞かれ、「顔を洗うことです!」と答えたようなものだったわけです。

さらに、小さな島なので、ドライブするといってもたかが知れているのです。

確かに、毎日車に乗っていると、ワクワク感は失せるものです。常に気は抜けないし、渋滞も多いし。責任感だって付きまといます。

でも今でも、ノースショアあたりを走っている時とか、突然デジャヴのように、一瞬だけ昔の懐かしいワクワク感が蘇ってくることがあり、そんな時は、あの頃のバブリーな気分を感じつつ、「思えば遠くへ来たもんだ」なんて呟いたりしています。