ハワイの話題:これも一種のアメリカンドリーム

ライトニングハワイ、ハワイ暮らしと大人のてんかん闘病記

いつになってもチャンスを掴めるのがいいところ

大人学生もちびっ子学生も一緒に頑張って!

ホノルルの朝刊紙、ホノルル・スター・アドバタイザーによると、ここ5年間で、ハワイの公立高校生の大学進学率が6%も上昇したそうです。なんと2014年度の進学率は州の公立校全体で56%にものぼったとか。

ハワイの公立高校、頑張っているんです。巷では、どうしても私立の名門校が優れているという風潮がありますけど、私が今まで出会った中で、「この子は本当に賢い! どうやっても敵わないな」と心から思った子は、公立の、それもかなりガラの悪いと言われる高校出身でした。

彼は貧しい家庭に生まれ、家の近くの公立を出て、働きながら大学、大学院と私と全く同じ学部に通っていたのですが、驚くほど目つきが鋭く寡黙なタイプでした。男の子だけど髪を腰まで伸ばしていて、山岳系ゲリラのような風情。

初めて彼が書いた論文を読んだ時、理路整然としているだけでなく程よく抑えたペーソスが漂っていて、若者らしい大望も感じさせ、そのスケールの大きさにびっくりしました。アメリカ人の口が達者な子たちは、論文を見せてもらうとやや薄っぺらい傾向が多かったので、心からびっくりするとともに、私も負けないような磐石な論文を書きたいと心から思ったものです。

彼は、本当に本や詩、哲学が好きだったんだと思います。小さい頃から図書館に通って次々と読破し、自分なりに糧にしてきたのですね。私が行った学部は、大学の中でもかなり特殊で、その道では有名な教授がたくさん揃っていたので、全米からある種のマニアが集まってきていたのですが、米本土の名門校出身の子たちも、日本や韓国の名門大学からの留学生も、誰も山岳ゲリラ君の足元にも及びませんでした。

たしか山岳ゲリラ君は、修士を終えた後、フルブライト奨学金をもらって某名門大学に進んだはず。今はどうしているのでしょうか? 彼のようなタイプこそ、心の熱い良い教授になるのではないかと思っています。

さて、話を戻しまして、と。公立高校が頑張っているという話。なぜ進学率が着実に上がっているかというと、州教育局の主導で、大学のクラスを取れるようなプログラムが少しずつ実現しているからなのですね。

私が大学に通っていた頃、夏学期のクラスなどには、高校生が何人かいて、大学生に混じって切磋琢磨している姿をよく見ました。また、飛び級も許されているので、中学生っぽいのにすでに大学生という子も何人かいましたっけ。

逆に、大人になって大学に通う人も多数。私もその一人です。私は日本でバブルに浮かれ、せっかく入った大学を卒業しなかったバカな過去があるだけに、頑張るしかなかったのですが。どのクラスにも、大人の学生がちらほらいたので、ちっとも気後れすることなく、素晴らしい環境で勉強することができました。

大人学生は、社会経験を経ているだけに強いんですよ。私が一度取ったクラスで、70歳くらいのコロポックル風の日系人の男性と仲良く机を並べていたのですが、ある日、グループを組んで、クラスで模擬裁判をすることになりました。私はその男性と組んだのですが、いや〜びっくり! 検事役を務めた彼が強いのなんのって!アメリカ人の秀才学生たちのグループを次々とねじ伏せていき、まさに「胸のすく思い」を味わいました。

聞くところによると、若い頃から、農業系の労働組合でならした過去があったとか。もちろん、私たちのチームが優勝です! 彼もハワイの公立学校の出身で、貧しい中一生懸命働いて、引退後にようやっと大学に通いはじめたということでした。

バブルに浮かれた私は恥ずかしい限りでしたが、山岳ゲリラ君やコロポックル氏のように、これからは何事も真摯に行かねばと、心から誓ったのでした。

恵まれた子は良い環境の中でいっぱい頑張って、才能をのびのびと伸ばしてほしいし、でも、ちょっと環境に恵まれなくても、頑張れる受け皿が整っているのは、本当に素晴らしいことだと思います。

一発逆転… つまり、これもアメリカンドリームですよね。