ハワイでのクオリティ・オブ・ライフについて考えてみた

幸福度の高さは全米でもトップクラスのハワイ

先日、Myハワイに「ハワイ州の幸福度は全米でもトップクラス!」という記事を書きました。アメリカでは各州ごとにかなり性格が違うため、このように幸福度や健康度、住みやすさ、働きやすさなどを、州ごとにランク付けした統計が、しょっちゅうリリースされます。

レポートを作成するのは、連邦機関であったり、民間企業であったり、非営利団体であったりと様々なのですが、我がハワイはその中でも、非常に上位にランクされる指標と、全米でも最低ラインの指標にくっきりとわかれる稀有な州だと思います。

ハワイの強みと弱み

まずは、ハワイがしょっちゅう上位にランクインされる指標、すなわち「ハワイの強み」について考えてみましょう。

ハワイが上位に選ばれるのは主に、

心の健康度

身体的な健康度

環境

など。

逆にハワイが他州に差をつけられっぱなしなのは、

収入

教育

起業のしやすさ

などが挙げられます。

つまり平たく言うと、「ハワイは心の健康やお金に変えられない生活の質という点では非常に優れているものの、実際生きていくにあたっての現実面では大変な場所」ということが言えると思います。

クオリティ・オブ・ライフとは?

この、心の健康やお金に替えられない生活の質を、「クオリティ・オブ・ライフ」(QOL)と呼びます。

Wikipediaによりますと、「ひとりひとりの人生の内容の質や社会的にみた生活の質のことを指し、つまりある人がどれだけ人間らしい生活や自分らしい生活を送り、人生に幸福を見出しているか、ということを尺度としてとらえる概念」と、あります。

もちろん、たくさんお金があれば生活水準はあがるのでしょうが、だからといって、それにともない必ずしもQOLが向上するかといえばそうでもなく。

逆に、「もう少し金銭的に豊かならば、心の健康も保てるのに…」というケースも大いに理解できるので、ハワイは「QOLが高い場所」と力強く言い放ってしまうには抵抗がありますが、あくまで私の場合、「自分らしくいられる」という面では、本当に恵まれているな〜と、日々感謝しています。

生活水準の面で考えると…

QOLとは逆に、実際生きていくにあたっての現実面は、「スタンダード・オブ・リビング(生活水準)」という言葉で測れますよね。

ハワイは、全米でも、ホームレスが多い場所です。州や市、非営利団体などが官民挙げてこの問題に取り組んでいますが、やはり根本の心のケアが追いつかず、予算面も厳しく、なかなか目覚ましい進展は見られていないのが現実です。私財を投げうちホームレスシェルターを開設する人、ホームレスを積極的に受け入れる家主もいますが、そのほとんどがメンタル面に問題を抱えているホームレスの人々にとって、シェルターに入るのは決して魅力的なことではないのですよね。

この問題に関しては、私は全く積極的に関われておらず、本気で取り組んでおられるソーシャルワーカーの方々、ボランティアなどの方々には。心から頭が下がります。重い知的障がいを持つ私の妹は、幸いにして日本の手厚い福祉の恩恵に預かることができ、現在は母親とケアホームに暮らしていますが、もし、どこかでボタンを掛け違えていたらば、路上生活者になっていたかもしれないのですよね。そう考えるといたたまれず、でも私はわずかばかりの食べ物やお金を渡すぐらいしかしておらず、この根の深い問題を考えると、QOLなんて言えるのは、ある程度の豊かさがあるからだと自分が恥ずかしくなったりもします。

逆に、豊かな人々はどこまでも豊かです。私の職場近くには、高級コンドミニアムがどんどん立ち並び、その価格ときたら、最低でもミリオン(約1億円)などという、目の玉が飛び出るようなもの。とある高級コンドのパンフレットの翻訳をしたことがありますが、ユニットの中に冷蔵庫が6台もあり、さらに瞑想室やヨガ部屋なども用意されていて、そのあまりの贅沢さに唖然としたものです。こういうユニットがすべて完売してしまうのも、ハワイのもう一つの現実なのですよね。世界のお金持ちが、こぞってここハワイに別荘を構えたがるということは、それはつまり、彼らにとってのQOLを求めてのことではないでしょうか? まあ、転売目的の現実的な人々も多いですけどね。

当然のごとく、このような新築コンドミニアムは、私たちのような普通のローカル家族にはおいそれと手が届くものではなく、購買者は地元の成功した人々ももちろんいますけど、日本や中国、韓国、米本土やカナダなどのお金持ちがその多数を占めているわけです。高級コンド完売などのニュースが飛び交うたびに、「その前にホームレス問題をなんとかしろ!」などと、心で叫んでしまうわけですが…。

極端な例を挙げてしまいましたけれども、これらはすべて、「生活水準」という尺度で測ったハワイであり、彼らのQOLとはまた別物なのですよね。

自分が自分で居られる場所

ついつい生活水準という面にばかりフォーカスしてしまい。「給料が他州に比べて安い!」だとか、「家賃が高い!」と声高く叫んでしまう私ですが、声高く叫ぶ前に、QOLの高さに感謝しないといけないなと思う今日この頃です。

ハワイにいると自分が自分でいられます。例えば仕事。日本で猛烈サラリーマンだった頃を思うと、なんという職場環境の良さでしょうか? 中年女性でありながら、「お局」と疎まれることもなく、もちろんガラスの天井はありますが、性別に関わりなくバリバリ働けることのありがたさ。オフィス・ポリティクスもありますし、理不尽な目に遭うことも無きにしもあらずですが、「女の子」や「お局」として括られることはまずなく、実力社会なのは嬉しい限りです。常に自己責任は付きまといますが、自分らしくいられるのは幸せです。

また、量産型でいないといけないという社会的なプレッシャーも、ほとんど感じません。自分を必要以上に抑えなくて良いし、格好つけなくて良い心地よさ。

また、多民族社会ならではの、優しさと礼節、気取りのなさ、懐の深さも気持ちがいいです。ハワイのやや悲しい歴史を知り、コミュニティに関わることで、さらに地元の人々の心根の良さが愛おしく感じられるかと思います。また、優しさだけではなく、俗っぽかったり、迷信深かったり、少し意地悪だったりする人間臭さまで、好もしく思えてくるのは贔屓のしすぎというものでしょうか?

経済的には決して潤沢とは言えませんが、「足るを知る」ことができるハワイ。自分らしく入られて、人にも優しくできる余地が自然に生まれてくるハワイは、やっぱり全米有数の幸福な場所なのでしょうね。縁あってこの地に住めて、本当にありがたいことです