ああ「無常」

二度と同じ瞬間はないのだから


常に頭の中ではキャッチコピーを作りつつ、目でシャッターチャンスを探しまくっている日々です。落ち着かないと言ったらないのですが、職業柄仕方ないのです。

さらにハワイ短歌会にも入ってしまいましたので、すきあらば、頭の中で五七五七七を数えてしまいます。運転中はさすがに安全には留意しているものの、かたっぱしから言葉を組み合わせて、ちょっと良さそうな短歌ができないか考えています。

ときどきパズルがピタッとハマるように歌ができることがあります。そういう時に限って高速をドライブ中だったりします。後からメモしようと思っても後の祭り。心に浮かんだ歌は、車を降りる頃にはどこかへ飛んで行ってしまっています。

シャッターチャンスだって同じ。くっきりとダブルで美しい虹の大アーチを見た時に限って運転中なんです。慌てて道端に車を停めた時には、あらかた虹が消えていることも。

雲だって夕日だって、「ああ撮りたい」と思った瞬間からどんどん形や姿が変わっていくわけで、だからこそ、望んでいた瞬間が撮れたときは殊の外嬉しいんですけどね。

何もかもが移ろっていく…その「無常」の世界に、昔から日本人は侘び寂びを感じてきたわけですが…

確かに、二度と同じ瞬間はないと思うと、一瞬一瞬を大事に過ごさなければとも思うし、「もっともっとキリキリ巻き上げていかないと」と、自省したりもするのですが、逆に考えると、二度と手に入らない瞬間が毎日毎日常に自分を通り過ぎて行ってくれていて、それを取るも取らないも自由というのは究極の贅沢だよな、と思ったり。

こんなとりとめもない事を考えつつ、今日の夕方に見つけた、巨人が手を振り上げたような形の雲を撮り損ねた事をつくづく惜しんでいるのです。